漫画的でありながら映画的でもある。
「ピンポン」
松本大洋の同名人気コミックを、ジェームズ・キャメロンのデジタルドメインで「タイタニック」のVFXに参加した曽利文彦監督が映画化。
脚本は「GO」の宮藤官九郎。
小学校のガキ大将ペコは、得意の卓球をいじめられっ子スマイルに教える。が、高校入学初の全国大会で、スマイルは勝ち進むが、ペコは幼なじみのアクマに負けて大ショック。優勝は名門校の主将、ドラゴンに。彼らそれぞれの1年間の後、次の大会がやってくる。
原作があって実写化される作品って結構あると思うんですけど、やっぱこれは別格だなと思いました。
疾走感とテンポ、非常に漫画的演出や設定も多いんですが、それが逆に良く機能していて観ていてスカッとします。
キャストも最高にハマっていて、全員がその人じゃないと成り立たないんじゃないかと思ってしまうほどのはまり具合。正直誰が良かったとか言うのが野暮なくらいでとにかく観てその意味を確認してほしい。
音楽の組み合わせもメチャメチャ良くて、スーパーカーの若干近未来的サウンドに乗せて描かれるスピーディーなカット。躍動感とはこのことかと、とにかくテンションあがります。
ストーリーも意外に構成がしっかりしていて、要所要所で意外に的を得ているところがかなりツボ。
誰しもが小さいころに一度は憧れる、夢やヒーロー。理屈を超越した何かに惹かれ、夢見る。それが日々の生活の中で時と共に風化し、忘れられていく、それでも忘れてはいけない何かに気付いた時、本当の自分に出会える。
夢は叶うものじゃないかもしれないけど、叶えようとしないといけない。
みんなにとってのヒーローはいないかもしれないけど、自分にとってのヒーローや憧れる人は必ずいるわけで、それを裏切ったり見失ったりしない。
もし自分も誰かにとってのヒーローならどんなに挫折しても絶対に諦めない。
そういった大切な何かに気付かせてくれる作品でもあって、久々に熱くなった。
それにしてもこの時代の窪塚はやはり神がかっているカッコ良さと存在感で、ホント最高でした。
ピンポン ― 2枚組DTS特別版 (初回生産限定版) [DVD]
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/02/14
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