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『アーセナルvsレヴァークーゼン〜UEFAチャンピオンズリーグ ベスト16 1st leg~』 崩せない5バック、その前にいた“もう一つの壁”

『アーセナルvsレヴァークーゼン〜UEFAチャンピオンズリーグ ベスト16 1st leg~』

Champions League projections: Arsenal stay above Bayern as favourites,  holders PSG on the rise - The Athletic

1ギョケ上手い
7マルティええダイレクト
13プレスバックエグっ
22このブロックはさすがマガリャン
30あそこで粘れるライスの強度
31インカピエもタフな動きやな
43このケア重要、インカピエ

60エゼのこのテンポはあり

さすがにベスト16になるとこうなることは覚悟しておりましたが、厳しい戦いでした。

まずはスタメンから。

特段変更無く。

レヴァークーゼンの布陣が3-4-2-1ということで、引きの時は5バックになり、守りは固そうだなと思っていたところ、その5バック以上に厄介だったのがその前列、ボランチ2枚、パラシオスとガルシアのスライドとケア力が。

こちらのスビ、ライスも奔走したのですが、それ以上に相手が統率されており、強度が高い。

最前線両脇もボランチと連動して動いていたので、とにかく最終ライン突破、というかそれ以前のところまで近付けない。

実際シュート数も6と少なく、オンターゲットは2という結果に。

ボールの流動性も確実にレヴァークーゼンの方がテンポ良く、アーセナルも悪くはないものの繋がり辛い。

スピードが出ないんですよね、ボールの。

その中でもテンポを出そうとしていたのはエゼ。

彼の良さであるワンタッチは要所で効いていたようには思うんですが、他の選手の連動性とタイミングが少々合わず。

単純にスペースが狭すぎてというのもあるかと思うのですが、最終ラインを中々越えられない。

ギョケも前線で屈強なポストとしてわりに良い仕事してたと思うんですけどね。孤立してしまう形が多く、そこを打破できず。

それでも抜け出すアクションは何度も見られ、出しどころはあったと思うんですけどね。中々合わず。

サカも疲れですかね。明らかテンションとフィジカルに弱さが見えましたし。

マルティネッリは良かったのですが、やや球離れが悪いところも散見されました。元々オンザボールと運動量で凌駕するタイプではあるのですが、サイドで受けた時にもう少し他の選手に受け渡しても良いのではと思う部分も。

でも、彼の姿勢は見習うべきが多いのも確かで、個人的に縦突破からのクロスはモーションが小さく早い、そして精度が高いんですよね。

あれに合わせられる選手がいれば・・・。

そんなズレとタイミングの合わない展開が多い試合でして。

ということもあり、守備陣の活躍が目立ちました。

特にマガリャンのあの身をとしたブロックは衝撃的で、あの局面、弾道に対し、よくあのプレーが出来たなと。

怖さ以上に得点阻止の意志が勝るという。CBの鏡。

あのメンタリティは中々ゴールを奪われないわけですよ。

そんなこんなで攻め手となるきっかけが掴めずでしたが、サカに変えてのマドゥエケは良好でしたし、あのPKをもらったプレーも緩急の成せるマドゥエケならでは。

賛否ありますが実際足掛かってますからね。

余談ですが、ちょいちょい着ている今季のネイビー地にイエローが映えるジャージ、メチャクチャカッコ良いんですよね。

ハイバリー期に次いで好きかもしれないくらい。

ひとまず敵地にて、出来れば完勝したいところでしたが、ドローならばまず良しとしましょう。

ホームでは完勝が見たい。

では。

『この人の閾』|日常の微細な違和感を文学に変える保坂和志の視線

『この人の閾』

この人の閾(著:保坂和志)は、表題作を含む複数の短編で構成された作品集で、語り手「ぼく」と周囲の人々との何気ない日常を通して、人と人の距離や存在の感覚を描いた文学作品です。

物語では、昔の知人の家を訪ねて半日を過ごす出来事や、友人との会話、犬と過ごす時間など、ごく平凡な日常の場面が中心に描かれます。大きな事件や劇的な展開はほとんどありませんが、語り手の観察や思索を通して、他人の生活に触れるときの微妙な距離感や、言葉では捉えきれない人の存在の気配が浮かび上がっていきます。

タイトルの「閾(しきい)」は、人と人とのあいだにある見えない境界や距離を象徴しており、日常のささやかな出来事の中からその“境目”を見つめることが、この作品集全体のテーマとなっています。

著者の作品を読むと毎回思うことがある。

思うというか、手触りというか、”形にするのが難しい、でも確実に日常に存在する何か”があると感じている。

感覚的なようでそうとも言えないような曖昧で抽象的な事柄。

本著には短編4種が収録されているわけですが、そのどれもが会話劇を中心とした何気ない日常の一コマを取り扱っている。

普段使われることの無い”閾”というタイトルに含まれる言葉も興味深く、意味を薄っすらとは把握していても、使用することはほぼ無い。

私が認識しているところでいうと、「閾値」という単語であって、何かしら設定の際に出てくるので知っている程度。

調べてみると

① 物理的な意味(本来の意味)

家の出入口の下にある横木・段差のこと。

例:

「玄関の閾をまたぐ」

「敷居(しきい)」とほぼ同義

→ 内と外を分ける“境目”の役割を持つもの。

 

② 抽象的・比喩的な意味(現代でよく使われる)

ある状態に入るための境界線・基準点。

例:

「痛みを感じる閾」

「集中力が切れる閾を超える」

「発動の閾値(いきち)」

ここを超えると「状態が変わる」

それまでは起きない/感じない

という“切り替わりの境界”を指します。

端的に境界線という意味合いで使用されているように感じるわけですが、誰かとの、何かとの、世界との、存在としての。

そんな境界にまつわる事柄を、淡々と日常風景に折込み、丹念に紡ぎ出していく。

図らずとも各々の日常において、自然発生的にそれらのことは起きているはずなのですが、そこに焦点を当てたり、改めて視点を向けたりしないことにはその線が見えてこない。

しかも明確にその線が引かれているわけでもなく、ぼんやりと感じることあったり、なんなら感じ方すらも個々人によるところが大きいので、どこがそうした境界になっているのかなどということは千差万別であるから余計に理解しがたい。

時間の経過や立場の違いなどから見える景色も変わるわけで、見え方自体が有機的に変化していく。

言葉にならないものや見えないもの、それらが空白なわけではなく、粒子のような目に見えない細かなもので満ちていたとして、それをなんとか伝えようとしているような実験性すら感じるわけで、それこそが著者の作品の醍醐味だなと改めて思わされる。

言語化することが出来ず、ビジュアル的に具現化するのがアートであり、音楽であり、それを越えたところにあるものをどう表現するのか。

文字というフィルターを通しつつ、その情景の中にある景色を通し、それぞれの手触りを取り戻させる。

読む人によって、読むタイミングによって、感じることも思うことも変わるかもしれないという前置きをしつつ、暮らしの中に潜んでいる微細な変化に目を向けるきっかけとなるのは間違いないのではないでしょうか。

物語的な起伏や展開、つまるところ”刺激”が求められる昨今において、微細な気付きというのもまた貴重なもので、世界を一変させてくれる可能性を秘めているのかもしれません。

読後のスッとした余韻から後を引く物語のラインナップで、ありふれた日々を言葉の世界で散策するのもゆったりと楽しめるのではないでしょうか。

では。

9十年か十五年たっても
31働くことに思想は
65言葉が届かないということは

94ある種のリアリティは
100それでもたとえば

124あとの違いはそう言われて
138秋になって感傷的に
153だいたい言葉だけの

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』という序章──シャア誕生とモビルスーツ戦争の夜明け

『機動戦士ガンダム THE ORIGINシリーズ』

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『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』は、後に“赤い彗星”と呼ばれる男、**シャア・アズナブルの誕生と、宇宙世紀最大の戦争の始まりを描く前日譚である。宇宙移民の理想を掲げた思想家ジオン・ズム・ダイクンの死後、権力を握ったザビ家から逃れた息子キャスバル・レム・ダイクンは、やがて身分を偽りシャアとしてジオン軍に潜入する。復讐を胸に軍人として頭角を現す彼と、宇宙国家ジオン公国と地球連邦の対立の激化は、やがて人類史上初のモビルスーツ戦争――一年戦争**へとつながっていく。

定期的に訪れるガンダム熱用に個人的備忘録として書いていこうかと思いまして。

何度か観ているものの何度でも観れるのがガンダムシリーズの魅力。世界観と設定の多様さからその時々の観る視点で見え方が変わるというのもあってか、いつでも楽しめる。

とりあえず1年戦争絡みを再度観直しているわけですが、このオリジンは”シャアの自伝的構造”、前日談的な物語が魅力的なんですよね。

大抵の場合、シャアやアムロという名前は知っているものの、そのバックボーンというか生い立ちを知っている人はそこまで多くないのではないでしょうか。

なんせ名前だけが独り歩きする代名詞的な2人ですし。

特にシャアが元々キャスバル・レム・ダイクンであり(というかジオン創設者の息子)、そして途中でシャア・アズナブルとなるということを知っているのもガンダム好きだけではないかと。

そのシャアの目的もそうですよね。

元からジオンに属していたわけでも、憧れでも無く、復習を唯一の拠り所にしているという。

とにかくオリジンはシャアの前日談なんですよ。

物語の構成は至ってシンプル。前半戦は人物紹介やら政治やらの群像劇が主となり、後半は変わらずの戦争を下敷きに、モビルスーツ戦が増えていく。

シャアの生い立ちであると同時にモビルスーツの黎明期でもあるというところが特徴的ですよね。

2015年から公開ということで、CG技術は当然劣りますよ。

違和感というか浮き出てしまうところは顕著で、セル画とのズレが妙に強調されてしまうというのはあるものの、仕方が無いところかと。

特に宇宙のシーンやバトルシーンで使われていることが多く、作り物感は否めないものの、後半の戦闘シーンはそれでも迫力があり、カメラワーク、構図の遊びが効いていて楽しめるのも事実。

特にシャアの機体やら、黒い三連星は良いですね。ビジュアル的には断然シャア専用ザクⅡ押しですが。

HG 1/144 シャア専用高機動型ザクII|バンダイ ホビーサイト

機体色の赤色とジオン軍の爆発のシンクロ、通常の3倍というなんの根拠もないところも含め、滑空する姿、スピード感、機体を操縦する様がシンプルに魅力的に映る。

レーザー的な演出、CGとの融合、実験的で過渡期の技術をそれなりの塩梅で組み合わせているのではないでしょうか。

個人的にⅠに始まりⅥに終わる過程で、徐々に面白味がブーストしていくというのも高まりがあって好きなところではあります。

特にラストのガンダムに繋がる終わらせ方は非常に好きなところで、予感と期待が高まる含みが良いんですよね。

そして重要そうな固有名詞リストとして

人物

シャア・アズナブル

「赤い彗星」と呼ばれるエースパイロット。
本名はキャスバル。
父の復讐のためジオン軍に潜入。


キャスバル・レム・ダイクン

シャアの本名。
ジオン思想の創始者の息子。


アルテイシア・ソム・ダイクン

キャスバルの妹。
後のセイラ・マス


セイラ・マス

地球に亡命したアルテイシアの偽名。
のちにホワイトベースのクルー。


デギン・ソド・ザビ

ジオン公国のトップ。
ザビ家の父。


ギレン・ザビ

ザビ家の長男。
政治的天才であり独裁者タイプ。


ドズル・ザビ

軍人肌の豪快な将軍。


ガルマ・ザビ

ザビ家の末弟。
シャアの士官学校時代の友人。


ランバ・ラル

ベテラン軍人。
ダイクン派の流れを汲む人物。


組織・勢力

ジオン公国

宇宙コロニー国家。
地球連邦からの独立を目指す。


地球連邦

地球圏を統治する政府。


思想

ジオニズム

宇宙に住む人類(スペースノイド)は
地球人より進化するという思想。

提唱者は

ジオン・ズム・ダイクン


兵器

ザクI

初期の量産モビルスーツ。

ザクII

ジオン軍主力モビルスーツ。シャア専用は赤。

終わりよければ全て良し。

始まりの終わりであり、終わりの始まりでもある。

では。

『アーセナルvsマンスフィールド〜FAカップ5回戦〜』 荒れたピッチで輝いた16歳ダウマンの“魔法”

『アーセナルvsマンスフィールド〜FAカップ5回戦〜』Arsenal FC - Transfer news, results, fixtures, video & audio

53ダウマンのオンザボールは見どころしか無いんよな

フィールドに苦しみ、舞台にも圧倒され。

FAカップはこうした格下のリーグからの刺客により驚かされることもあるわけですが、いつもと違う雰囲気、チームというは必ず選手たちにより良い経験になるはずなわけで、その意味で厳しい試合だったが勝てたのは大きい。

そんなスタメンから。

まず布陣が斬新、しかも開始後も流動的で掴みどころがない。さらに相手のラフさから旧来然としたサッカーを思い出させ、久々に新鮮さを感じると言うか。

組織的というより、個を主体とした緩い繋がりを維持した展開。意外にこういうサッカーも好きなんですよね。古き良きで。

それにしても意外に押されましたね。

CBのアクション数も多く、シュート数もアーセナル19本に対して18という。

これは中々多いですよ。実際危ないシーンも間々あった気がしますし。

それを牽引していたのは確実にオーツでした。

アーセナルに憧れ、その意気込みがプレーにも溢れたような熱量。ポストプレーの質やフィジカルの強さ、機転の効き方などは3部とは思えぬ良いプレーが多かったのではないでしょうか。ラッセルもそう。トッテナム出身、仮想ノーロンを思わせる躍動、中盤での歯止めと攻撃時のスイッチも上々。

とまあ端的にマンスフィールドが悪くなかった。

スタジアムの雰囲気も良かったですしね。こじんまりしているけどサポーターとローカルの愛情を感じるホームメイドな感じとか。

そんなアーセナルですが、それでもあのピッチの中、そうしたことを感じさせないプレーを見せたのが久しぶりの登場、ダウマン。

彼のオンザボールはとにかく魅せられる。

期待と言うか、可能性を感じさせられ、何かしてくれそうな雰囲気を纏う。

逆に、球離れが遅い時もあるのですが、それは年齢と経験を考えれば仕方がないところでもあり、今は魅力にフォーカスしたい。

マドゥエケも良かったですね。

序盤はスローにスタートし、徐々にギアを上げていく。

内外使い分けが出来ますし、このレベルの試合だと違いがより鮮明に映るというか。

ピッチ状況を把握しながら、プレーに落とし込む精度と順応性は見事でした。シュートも二度三度、着実に修正を入れるという。

あとは両者GKも見せ場多かったですね。

特に相手GKが止める止める。

コースが甘かったシュートもありますが、それでも堂々とした立ち振舞、セーブ能力は高かったかと。

とはいえエゼの衝撃の一撃。

あの狭いスペースで受けて保持し、的確にピンポイントで蹴り込む。技術の高さと落ち着きが異常。

交代後4分であのゴールですからね。

調子を上げてきているのは間違いないのではないでしょうか。最近はスタメンスタートも多いことですし。

まあ勝ててよかった。

サーモン、ディクソン、ダウマン、若手が躍動し、経験も積むことが出来たという意味では良い試合だったのではないでしょうか。

ターンオーバーも出来ましたし、次はCLレヴァークーゼン。絶対に負けられない。

では。

『アーセナルvsブライトン』勝ったのに重い90分──ブライトンの罠とアーセナルの停滞

『アーセナルvsブライトン』

Arsenal FC told why Premier League title win will 'come with an asterisk' |  The Standard

5エゼ素晴らしいワンタッチ
20マガリャン今日も効いてるな
27インカピエも体の入れ方グッド
38ライスのこういう切り替えの速さと強さエグい

65必ず触れるライス
71サーモンのトラップやばっ
73ティンバーの騙しっぷり
85ここでも即時奪還ライス

直近2試合は勝っているとはいえ、ここまで好調だとは。

そんなアウェイでのブライトン戦。

まずはスタメンから。

このところよく見るラインナップですが、苦しかった。

終始ブライトンペースで後半からは修正も入ってくるかと思いきやそれも起こらず。選手交代にせよ、前後半の切り替えにせよ、とにかく切り替わらない試合展開でした。

とにかくハイプレスの応酬でことアーセナルが下から繋げない。

アタックマップにせよ後方に集中し、ハーフラインからの前進が極めて困難。

ブライトンは前線からのハメ方が上手かったですよね。

アーセナルもライス、スビがCBのラインまでおりてきて対応しようとしていたものの、プレスが早いし強い。

スライドも早くサイドに追い込まれ、ライス、スビがおりることで中盤が空き、ライン間で受けれる選手が減ってしまい・・・。

エゼもにしろギョケにせよそこまでおりてくるタイプでは無いですし、WGにサーモンがいればある程度はというものの、マルティネッリもそういうタイプで無く、ウーデも不在ですからね。

なのでロングボールが増え、ただ、ブライトンは空中戦も割と強いという。

それが終盤まで続くわけですが、マジでタフ過ぎた。三苫の仕掛けも前半は何度もピンチを招いてましたしね。

当然こちらも守備アクションが多くなるわけで、上位4人は最終ライン勢。

またしてもビッグガブが大健闘しておりました。

個人的にインカピエがメチャクチャ奮闘していたイメージもあり、左SBからの右CBとなってもあの攻守の入れ替わりが速い展開でよく対応したなと。

役割も異なるでしょうしマッチアップの人も変わるわけで、それをあの強度でこなすという。

27分での身体の入れ方などはスムーズ過ぎて惚れ惚れしましたし。

そして向こうもタフだがこちらもという筆頭がライス御師。

ビッグゲームでの活躍っぷりはホント異次元で、あれだけの運動量をどうやったらこなせるのか。

キャリー数も17と圧倒的ですし(スビは10)、戻りの速さが異常ですよ。

それでもこの試合は展開的に前に出ていく回数は限られていたわけですが、それにしても早い、強い、上手い。

ギョケに関してはボールがあまり入らず、収まらず。サカの仕掛けもあのひと振りの奇跡以上は見せられず、マルティネッリもいつものようにボールに触れず。

とにかく前線へのボール供給が途絶えた一戦でした。

構造的というか、難しい試合となりましたが、ここからは勝利が重要。

2位シティがドローゲームだったことで勝ち点差がまた広がったのもあり、着実に勝ちを積み上げるしかないということです。

それにしてもほとんどの選手から疲れなのか、オンザボール、オフザボールでのミスや強度の緩さが散見されたところもあり、厳しい日程なのは百も承知でタイトル目指して本当に頑張ってほしいし、アルテタにはターンオーバーを上手く使って乗り切ってほしいところではあります。

では。

『ブゴニア』解説|アンドロメダ星人の造形美と不条理コメディの極北

『ブゴニア』

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「哀れなるものたち」「女王陛下のお気に入り」などで知られる鬼才ヨルゴス・ランティモス監督が、これで5度目のタッグとなるエマ・ストーンを主演に迎えて描いた誘拐サスペンス。

「エディントンへようこそ」「ミッドサマー」の監督アリ・アスターがプロデューサーに名を連ね、2003年の韓国映画「地球を守れ!」をリメイクした。

世界的に知られた製薬会社のカリスマ経営者ミシェルが、何者かに誘拐される。犯人は、ミシェルが地球を侵略する宇宙人だと固く信じる陰謀論者のテディと、彼を慕う従弟のドン。2人は彼女を自宅の地下室に監禁し、地球から手を引くよう要求してくる。ミシェルは彼らの馬鹿げた要望を一蹴し、なんとか言いくるめようとするが、互いに一歩も引かない駆け引きは二転三転する。やがてテディの隠された過去が明らかになることで、荒唐無稽な誘拐劇は予想外の方向へと転じていく。

エマ・ストーンが髪を剃った丸坊主姿も披露し、陰謀論者に囚われたミシェル役を熱演。彼女を宇宙人だと信じてやまない誘拐犯2人組を、「憐れみの3章」「シビル・ウォー アメリカ最後の日」のジェシー・プレモンスと、オーディションで抜てきされた新星エイダン・デルビスが演じる。2025年・第82回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。第98回アカデミー賞では作品賞、主演女優賞ほか計4部門にノミネートされた。

さすがのヨルゴス・ランティモス。

リメイク作品ながらぶっ飛んだ味付け。

原作の「地球を守れ!」を未視聴なので具体的なところは何とも言えませんが、確実にヨルゴス・ランティモスならではという手の加え方が散見される。

ちなみにタイトルのブゴニアというのは

“ブゴニア(Bugonia)”は
古代ギリシャ神話由来で「牛の死体から蜂が生まれる」

という概念らしく、死からの再生や輪廻を想起させる。

箱庭的世界観の演出、とんでもない展開を描かせたらピカ一な監督ということを考えると、中々に元ネタと相性が良かったのでは。

最近は本当にあらゆるメディアで陰謀論めいたことがピックされることが多いなと思っているわけですが、リメイク元が作られたのは2003年。

当時からするとさらに突拍子も無い都市伝説的な話であろうものが、現在(2026年)になるとその様相はさらに様変わりして映る。

トランプ大統領就任後以降、世界の裏側で起きていたことが表出し、SNSの存在も相まり、真実が朧げになっていきている昨今。本当らしくふるまえばそれが真として受け取られ、逆に何も語らずにいれば真実は闇の中に眠る。

以前からそれはあったであろうし、ミクロの視点、自分たちの身の回りにある人間関係においてでも、そうした理解の祖語、穿った視点というのは多分に存在しているのは認識としてある。

とはいえここまで時代と重なりを見せるとは。

表と裏の文字通り表裏一体の世界認知の中、ふとしたきっかけで陰謀論に取りつかれた2人が行動に出るわけですが、その様が緻密なのか馬鹿なのか。

安直な行動と手際の悪さ、ある種これも人間味があるところだから面白く映るわけで、その2人を演じるジェシー・プレモンスとエイダン・デルビスのコンビが実に相性の良さを感じさせる。

ジェシー・プレモンスの存在感、演技力というのは無性に引きつけられるものがあり、なんか憎めず、絶妙な立ち位置を見事にキャラクターとして消化してしまうんですよね。

主要作品としては『ブレイキング・バッド』『FARGO/ファーゴ』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』など。

どの作品を観ても独特な存在感。こういう癖のある役者さんって好きなんですよね。まあ監督も癖有りですが。

相棒となるエイダン・デルビスもまた良い。

オーディションで抜擢されたらしいのですが、愛嬌のある出で立ち。会話のテンポ感や佇まいが妙に役柄とフィットしている。

ヨルゴス組の筆頭であるエマ・ストーンは言わずもがなですが、あの丸坊主となった姿は衝撃的でした。

全然綺麗な役柄も出来るでしょうに、身を削ったような役柄しかやらないという姿勢は役者魂の成せるところ。

近年のディカプリオもそうですが、役柄に振り切る役者さんというのは本当に憑依しているなと感じさせられるほど生々しく、覚悟が役柄に滲み出るというか。

観ればわかる、登場人物として実存性を感じるんですよね。

そんな本作、ストーリーとしては「製薬会社の会長はエイリアンだ」と信じ込む男が、会長を拉致して拷問するというだけのこと。

なのですが、その背景と想像が斜め上をいき、二人と一人がコメディさながらにてんやわんや繰り広げるという構成になっている。

方向性はあるものの、全く予測不能。全てのシーンにおいて、観るものを裏切り、予想を越えていく。

特に終盤に向け、加速度的に転がる様は必ず驚かされるところでもあり、あっという間にとんでもない結末に至ること必至。

グロ、ゴア描写もそこそこに、ラストでの宇宙人の描写や世界観の創出は見事の一言。

地球平面説による解釈、アンドロメダ星人の描き方というのはランティモスらしい着想と表現だなと唸らされる。

特にアンドロメダ星人の描写などはそうで、ああいう世界観、宇宙人というのが存在していてもおかしくないよなと思わせる造形描写。

人型であり人ではない。衣装の巧みさ、見たことが無いような質感と造形を伴っての謎の会議所風景なども未知との遭遇そのもの。

表現で言うと月食何日前と出るカウントダウンの映像インパクトも相当でしたね。

音の表現と絵本のような映像的転換。寓話的な世界構築が得意なランティモスならではのワクワク感も存分に。

とにかく所々に散りばめられた寓話と現実の混沌さが今の現実の不確実性とリンクし想像が現実に近づく奇妙さを描く。

拷問シーンでGreen Day「Basket Case」が流れたのは印象的でしたね。

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POPさと残虐さすらもごちゃ混ぜにしてしまう。

このハチャメチャさが不条理コメディ感を高めているというか。

わけのわからなさが真実に通じるかもしれないという、現代をまさに反映したかのような結末の冥利。

ヨルゴス・ランティモス作品の中でも見やすく、監督性が分かり易い作品だと思うので入口として楽しめるのではないでしょうか。

では。

『アーセナルvsチェルシー』デュエルとモメンタムの応酬、これは“削り合い”ではない

『アーセナルvsチェルシー』

Arsenal FC - Transfer news, results, fixtures, video & audio

6エゼもらった段階で見えてたな
7インカピエ、ナイスな戻り
14ギョケこういうフリックもええな
19サカとティンバーのコンビネーション合ってる
27体の入れ方完璧やなサリバ
43インカピエつえぇな

49サカも体の入れ方、傾斜のさせ方が上手いのよ
79この崩しメッチャええやん

ノーロンの次はビッグロンドン。ダービー続きのわけですが、このダービーもアツかった。

まずはスタメンから。

特段の驚きは無し。

ノーロンを鑑みるとどうしてもエゼとギョケに期待がかかる試合でしたが、個人的なMOMはビッグガブ。

まあそれは追って語るとして、とにかく序盤から熱の冷めない試合展開。

モメンタムも浮き沈み激しく強度さもまちまち。だが本当に目まぐるしく攻守の入れ替わる激烈な試合でした。

基本的に変わらずのハイプレスなアーセナルに対し、引いてロングカウンターメインのチェルシー。

試合展開によって色々とありましたが大枠はそんな感じ。

アーセナルは中盤でボールを持つ時間が長く、チェルシーは後方での保持が多かったですね。

やはりこういう大舞台で活躍できるというのはビッグな選手の特徴として必須かとは思うのですが、どの選手も相当に気合入ってましたね。

特にサカはデュエル数、ファイナルサードでのパスはトップ。キーパスも5本と、ゴール以外はかなり前線で脅威になっていたかと。

その陰なる立役者としてギョケの献身性によるところも大きかった。

ポジションを落とし受けた際のポストプレー完遂度が高い。

質の高さとフィジカルがあるからこそのやつで、ハヴァーツとは異なりますが、攻撃時のロングカウンターで起点となり、前線で押し込める。

パワーがあるから相手DFとしても脅威だったと思うんですよね。一対一でも。

サーモンもサカの位置に突如出没したり、スビもボックス内に表れ、ライスも駆け上がるという。

ポジションの流動性がいつも以上に高かったのも印象的でした。

インカピエも良く効いてました。

失点では惜しくもですが、あれはリースジェイムスのキックが良過ぎたから仕方が無い。

何度かコーナーを蹴っている時点で良質過ぎて何か起きそうだとは思っていた最中の出来事でしたから。

でも、守備に攻撃に躍動し、タフで運動量の有るSBとして対峙するネトも苦しんでいた気がします。

結果的にネトはマルティネッリによりレッドで退場という局面に至りましたし。

とはいえこの試合はCBが良く守りましたよ。特にマガリャン。

守備アクションがアーセナルにおいて断トツ。

タックル数も4とお見事。

攻撃時にもセットプレーでの脅威を存分に見せつけ、とにかく強い。起点となるプレーも多く、攻守に目立っておりました。

守備時の対応にしてもリースジェイムスやネトを相手にボックス内でもかなりタフに対応し、いつも以上に集中力が高かった気がします。

そしてラヤ神。

素晴らしいセーブとそこからの攻撃への切り替え。

終始抜群でしたね。全身で止める気迫と、反応の良さがキレキレで。相手GKのミスお構いなしの堂々たる佇まいというのも大したものですが、今は良いチームに必ずヤバい守護神が揃っており、マジで群雄割拠。

結果としてCKからの2得点でしたが、この試合はそれ以外にも見どころしかない試合で、チェルシーの勢いというのも相当に感じさせる展開となりました。

チェルシーもエンソ、カイセドは相変わらずの働きで、リースジェイムスのキック精度に驚かされ、とにかく苦しく厳しい、だが楽しい試合でした。

では。