自分自身が大人になってみて感じること、中身はそれほど変わらないということ。本作ではそれを如実に物語っており、色々な場面で心当たりがあり過ぎる作品でした。
ということで本日は「6才のボクが、大人になるまで。」
本作は同じ役者をつかい、12年に渡り撮影された前代未聞の作品。
6歳の少年が大学に入学するまでを同じ期間を用いて撮影されているということで登場人物全員が同様に歳を重ねていく。これだけで観る価値ある作品だと思いませんか。
そんな作品無いですし、この先も無いと思います。
そして何より、誰しもが通ってきた6歳~18歳という時間を俯瞰して観れるという点においても絶対に各々に心当たることがある。
リチャードリンクレイター監督作品ということで音楽や演出のテンポを期待していたのですが、予想通りのテンポ感で3時間近い作品ながらあっという間に観れました。
やっぱりこの監督は子役、音楽の使い方が上手いですね。
この映画を一言で言うと
「未来の誰かは今の自分かもしれない」
ということです。過去の積み重ねが個々を形成している一方で、同じような経験を経て、数年先を生きている誰かの中に将来自分がなるであろう極めて近い性質をもった人がいる可能性があるということです。
まあ簡単に言うと自分が普段生活している中で見ている、もしくは関わっている人の中に将来自分がかなり近い性質をもってくるであろう存在がいる可能性が高いということ。
それは両親などの近しい存在ではなくて、もうちょっと距離のある知人達、その人たちの混合的な性質をもって人格形成されてくる気がします。
言うならば成長過程での「多くの憧れ」が個を形成するんだなと感じました。