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探幽訪真:深く、自由に、偏りなく潜る

『RADIO GALAXY』という劇薬。FRUITS ZIPPERが仕掛けた音響の「緊急事態」

FRUITS ZIPPER『RADIO GALAXY』

RADIO GALAXY|SINGLE|FRUITS ZIPPER OFFICIAL SITE


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NEW KAWAII (通常盤) - FRUITS ZIPPER

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アイドルという枠組みを超え、一つの純粋な音響体験として耳に飛び込んできたのが、FRUITS ZIPPERの『RADIO GALAXY』。

これがまた、独特な質感を伴った一曲でして。癖になる、やめられない。

初期楽曲でありながら、彼女たちのパブリックイメージである可愛らしさを、EDM的な暴力性とスペーシーなテクスチャーで包み込み、リスナーを日常から数万光年彼方の深淵へと引きずり込む。

舵取りを担ったのはYUC’e氏。ハイパーポップやKawaii Future Bassの文脈を汲みつつ、煌びやかなシンセと重厚なベースラインという相反する要素を共存させるその手法は知的な静寂と狂騒を同居させる装置として機能している。

まず耳を奪われるのは、その音響空間への圧倒的な没入感でしょうか。

打ち込みベースの4つ打ちキックの上に、シンセ的なスネアが乗る構造。単なるリズムの提示ではなく、宇宙の膨張をそのまま音像化したような広がりを持っている。日常から乖離した異空間へ、精神を強引に分離させるための装置。そこに横たわるのは、温もりよりもむしろ、未知の領域に足を踏み入れた微かな緊張感に近い。

最大の中毒性は、中盤で訪れる「緊急事態発生」という転調でしょう。これまでの天国のような多幸感が、一瞬にしてビートの質感ごと切り替わり、別の曲を聴いているような感覚、あるいは地獄のような底知れぬ揺らぎへと変質する。それは可愛らしさという体裁が、EDMの濁流によって一時的に破壊されるカタルシスでもあり。

個人的な推しでもあるまつかれパートにおいて、その緊急事態が宣言される皮肉。彼女の持つ純然たる可愛らしさが、楽曲の構造的な歪みと衝突する瞬間、観る側としては思わず笑みがこぼれる。それは、理解していると思っていたものが変化する際の、心地よい矛盾を孕んだ混沌さをもたらす。

ライブにおけるファンとの掛け合いにおいて、その身体性はピークに達するわけで、アイドルとファンという境界線が融解し、一つの巨大なうねりへと昇華される瞬間が存在する。それは、走ることで日常とシンクロしていく感覚や、あるいはピッチを縦横無尽に駆ける選手たちの不屈さに近い、行為と感覚の一体化に近似する。

ハイテンションなノリが物理的な熱量となって精神を侵食し、気がつけば宇宙の彼方へと連れて行かれる。結局のところ、求めているのは、こうした不確かな現実を上書きしてくれるような、圧倒的な内的真実であり、楽曲による彼方への旅を模索しているのかもしれない。

では。

NEW KAWAII (通常盤) - FRUITS ZIPPER

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記号化されたカワイイの裏側で脈打つ、日本のポップミュージックの特異な進化の系譜。その構造的なおもしろさを、もう一歩深い視点から眺めるための補助線。

どこまでも透明で、それでいて引き締まった低域の輪郭が、耳の奥に底知れぬ宇宙の広がりを立ち上がらせる。電子の粒が描く狂騒のレイヤーを、ただ眺めるのではなく、その空間の気配ごと 身体に馴染ませるための美しい選択肢。