『COROS PACE 4』

削ぎ落とされた美学。
今回、購入に至ったのはCOROS PACE 4。
ガーミンやスントといった「絶対王者」や「北欧の至宝」が主流を占めるこの界隈において、あえてカロスを選ぶ。単なる機能の比較ではなく、自らの身体感覚を信じるための「独自の選択」という充足感に近い。
購入を後押ししたのは、大迫傑というアイコンの存在も外せない。駅伝時代から彼の走りに魅了されてきた者として、彼が科学的なトレーニングを突き詰めるプロセスでこのブランドを選んでいるという事実は、カタログスペック以上の信頼を付与してくれる
。その後のナイキ・オレゴン・プロジェクト(Nike Oregon Project)でのストイックな挑戦も、彼の選択には常に納得させられるだけの理由があった。
主流派から一歩引いた立ち位置。だが、中身は下剋上を地で行くスペック。前作PACE 3からデザインを継承しつつ、ついにAMOLED(有機EL)を搭載。解像度は前作比で164パーセントも向上し、最大1500ニトの輝度は直射日光下ですら鮮明に認識できる。
上位モデルであるPACE Proの38時間を凌駕する、GPSモード最大41時間のスタミナ。このコンパクトな筐体のどこにその力が潜んでいるのか。下位モデルでありながら、私にとってはこれで必要十分、いや、それ以上だと思える潔さも購入の決め手となった。
また、専用ケーブルを廃し、汎用性のあるType-Cケーブルを変換アダプターで繋ぐミニマリズムな充電方式も、荷物を削ぎ落としたい身としては高く評価したいポイントだ。紛失防止のキーホルダーケースが付属している点も、道具に対する配慮を感じさせる。
バンドについては、シリコン特有のチープさがあまり好きではなく、純正のナイロンバンド(ブラック)を選択した。これが正解だった。本体重量はわずか32g。手首の細い私にとっても、その無段階のフィット感は「装着していることを忘れる」というスマートウォッチの理想を具現化している。

昨今のスマートウォッチは、睡眠計測やライフログ、果てはマイクによる音声メモまで、機能のデパート化が進んでいる。だが、自分にとってこの時計はランニングの相棒であり、それ以上でも以下でもない。今のところ、睡眠中の装着や日常使いの多機能さは不必要だと思っている。
まあ、これらも魅力的な機能だとは思うので、その有用性は追々考えていけばいいかなと。
機能を絞る。マイクが内蔵されたことで音声による「トレーニングログ」も可能になったようだが、こちらもその有用性については、これからの練習の中でゆっくりと見極めていきたい。
考えてみれば、人は何のために単調で苦痛な走るという行為を続けるのか。その問いの答えは、この軽量なデバイスが刻むラップタイムの向こう側に、静かに、しかし確かに横たわっているはずだ。村上春樹がその著書で綴ったように、走ることは生きることのメタファーであり、その問いは常に付き纏うと思っている。
使い勝手の詳細については、しばらく路上での使用後に、また後述することとしたい。
では。
この一冊を読むと、大迫選手のCOROS選択の背景がより腑に落ちる

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