以前からクラシックを聴く時期があったのですが、なんか最近はわりと聴く機会が増え、ポップスよりも聴いている時間が多い時も。
そんな折にディグったのがこちら。
『オレのクラシック』
「クラシック音楽は娯楽ではなく、人間にとって大切な何かだ」と真正面から対峙するオレが全身を傾けて聴いたCDを、毀誉褒貶、峻別する。独善を排し、既成の評価を超えた演奏には賛辞を惜しまず、文化的・社会的な背景もからめながら聴きどころを提示する。
著者の名前だけは何かのラジオで拝聴しており、タイトルが異様に気になったので手に取ったのですが、クラシック意外の私生活などにも言及されていたり、何より語り口がストレートで面白い。
クラシックと言うと敷居の高さが最初にきがちなところですが、意外に耳にした楽曲が多かったり、聴けば聴くほど細かい音や空間の揺らぎ、変化などを感じ、楽曲の中に情景を思い浮かべることもしばしば。
個人的には読書の際に聴くことも多く、電車などで移動している際に聴くのも流れる風景と相まって好きなんですよね。
百聞は一見にしかずで聴いてみるのがとにかく早い。
なんとなく気になる作曲家から攻めるも良し、CDやLPのジャケットから入るも良し、深堀りや知識は後からでも付いてくる。
ちなみに私が一番初めに気になったのがこちら。
単純にジャケットがカッコよく、当時聴いていたポストパンク的な雰囲気にやられた。
ただそれだけの理由で買ったのですが、聴くとそのピアノの熱量、モノラルのアタック。クリアネスではないわけですが、それが実に生々しくダイレクトにぶつかってくる。
これは忘れられない一枚でしたね。
そんな調子でフィーリングから入るのも良し、理由は後からなんとでも。
さてこの本ですが、著者の見識の深さはさすがというところですし、クラシック初心者に関して(私も含め)は少々難しいところもあるかもしれません。
クラシックというのはそもそも曲云々以前に、指揮者が誰で、演奏する楽団がどこか。そういったわからないことが多いですからね。
けれども本書では語り口の軽妙さがそれらを中和し、クラシックに対する熱量をもってしてそれらの一切を置き去りにしてくれる切れ味の良さがあり、読み物としても十分に楽しめる。
個人的に気になった楽曲等(それ以外にも気になってメモしていたものも少し混ざっている)は後述に備忘録として載せるとして、単に音楽の授業などで聴かされた印象を払拭し、純然たる音楽としてのダイナミズムを味わえる年になってきたのかもしれない、などと感じてもいる。
いずれにせよクラシック音楽はただの静かな環境音楽で無く、もっと深く入り込んで音を楽しめるものだということをストレートに感じさせてくれた本だったのは間違いない。
では。
【ベートーヴェン】
交響曲第1番、第5番「運命」:クラウス・テンシュテット指揮
交響曲第7番:エンリケ・バティス指揮
交響曲第9番「合唱」:クラウス・テンシュテット指揮
ピアノソナタ第32番:アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(ピアノ)
ピアノ作品集(選集):エミール・ギレリス(ピアノ)
【ムラヴィンスキー指揮(エフゲニー・ムラヴィンスキー / レニングラード・フィル)】
チャイコフスキー:交響曲第5番(1960年録音 / ムラヴィンスキー指揮)
ムラヴィンスキー・イン・モスクワ 1972(ショスタコーヴィチ:交響曲第15番、ブラームス:交響曲第2番 等)
ムラヴィンスキー 1979年 東京ライブ(チャイコフスキー:交響曲第4番 等)
【交響曲・管弦楽曲】
ヘンデル:組曲「水上の音楽」
メンデルスゾーン:交響曲第1番:フランス・ブリュッヘン指揮
ブルックナー:交響曲第8番
ブルックナー:交響曲選集(ないし特定の交響曲)
ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」:カルロス・クライバー指揮
【器楽曲・ピアノ曲】
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲
リスト:巡礼の年 第3年 より「エステ荘の噴水」
ラヴェル:クープランの墓
アストル・ピアソラ 作品集(タンゴ・リセッタ等)

