『アウターガンダム (電撃コミックス)』
1年戦争を舞台に繰り広げられる、隠されたもうひとつの「ガンダム」の物語。人の手によらず、AIによって機動する封印された“ゼファーガンダム“。戦いの中でゼファーは学び、そして大いなる力を発揮してゆく。松浦まさふみの描く伝説のガンダムコミック、25年の歳月を経て堂々の復活
当時は今よりも制約を受けず、ガンダムを描けた時代。
発売が2017年ということもあり、その発想の自由さと考証のこだわりというはこの時代ならではと思ってしまう。
アウターガンダムという名称もアムロやホワイトベースの外側で起きていた戦争を描くという意味であり、08小隊やサンダーボルトなどといった1年戦争の外伝的物語となっている。
技術者目線、開発者目線からの物語が軸となっているのが興味深く、人為的な操作無しに駆動できるという仕組みも斬新な視点。
これは今となってはAiの先駆けではともとれるような設定であり、無人戦闘機の人型と捉えると最早笑ってもいられない。
あくまでもガンダムというとニュータイプを軸に話が進むものがほとんどで、そこが醍醐味とも言えるところをあえて削ぎ落し、新たな目線で語るという構成。
欄外への注釈の多さも時代を感じるところで、知らずにどんどん語られていくガンダムのスタイルからすると、こうした説明は攻殻機動隊などのようなメカ系には読んでいく一助にはなる。
松浦まさふみ氏の作画も今にしてみてもカッコ良く、「リアル・ロボットとしてのガンダム」を視覚的に突き詰めたものであり、後のMSデザインやガンダム作品のヴィジュアルイメージにも小さくない影響を与えたも言える気がする。
人物とメカの対比がそのまま作品におけるドラマ性に寄与しており、リアリティラインを底上げする役割としてメカの精密な描写が見魅力的に映る。
登場するMSゼファーガンダムも無骨でカッコいいんですよね。
RX-78ガンダムを元に作られた試作機であって、ゴツさが際立つ。でもこれが良い。

物語自体も骨太で硬派な展開となっており、盛り上がるというよりもじっくりと向き合うタイプの重厚な作品に仕上がっている。
ガンダム作品にを大別するとエンタメ要素強めな作品群と内省的な作品群がに分けられる気がしていて、その意味で言うと本著は内省的なテーマを感じられるようなテイスト。
別角度から観ることで1年戦争にも深みが出ますし、それにより解釈や理解の幅が広がるというのは立体的に作品世界に没入するという意味でも興味深く読めるのではないでしょうか。
では。



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