『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』

ガンダムシリーズ初の完全オリジナル劇場版。シリーズ1作目「機動戦士ガンダム」から続くアムロ・レイと宿敵シャア・アズナブルの最後の戦いを描く。
宇宙世紀0093年、ネオ・ジオン軍の総帥として歴史の表舞台に返り咲いたシャアは、地球環境を汚染し続ける人類を粛正するため、小惑星アクシズを地球に落下させようする。
アムロは自ら設計した新型モビルスーツ、ν(ニュー)ガンダムに乗り、シャアの企みを阻止するため戦う。
ハサウェイ前に復習を兼ねて。
やはり正史の物語は残っていますね。頭の中に。
とはいえ、ガンダムシリーズを知らない人からするとこの作品は確実にハードルが高いことでしょう。
それもそのはずで、富野氏いわく
「もう宇宙世紀を知ってる観客向けの映画」として作った。
と述べられており、その通り、用語や場所、MSなどに関しての説明がほぼほぼ皆無で進行する。
ざっくり知っておくと良さげなワードを。
◆勢力・組織
・ 地球連邦政府宇宙世紀の地球側の中央政府。腐敗と無能が進んでおり、物語では防衛が後手に回る。
・ ロンド・ベル隊
アムロが所属する独立部隊。
対ネオ・ジオン専門の即応部隊で、事実上の主人公側組織。・ ネオ・ジオン(シャアの軍)
シャアが総帥となって率いる反地球連邦勢力。
「人類を宇宙に押し出す」思想のもと、地球寒冷化作戦を実行。◆主要人物(最低限)
・ アムロ・レイ連邦側エースパイロット。ロンド・ベル所属。
シャアの計画を止めようとする。・ シャア・アズナブル
ネオ・ジオン総帥。アクシズ落としを企てる。
・ ブライト・ノア
ロンド・ベル艦隊司令。アムロの上官。
・ クェス・パラヤ
連邦高官の娘 → シャア側に寝返るニュータイプ少女。
・ チェーン・アギ
アムロの恋人であり、ロンド・ベルの技術士官。
◆艦隊・艦船
・ ラー・カイラムロンド・ベルの旗艦。ブライトが指揮。
・ レウルーラ
シャアの旗艦。ネオ・ジオン側の中枢艦。
◆場所・天体
・ 地球人類の母星だが、特権階級だけが住み続けている状態。
・ スウィートウォーター
シャアのネオ・ジオン本拠地となるスペースコロニー。
・ アクシズ
元々は小惑星基地だった巨大岩塊。
シャアはこれを地球に落として寒冷化させようとする。・ ルナツー
地球連邦の宇宙要塞。戦略拠点。
◆モビルスーツ(最低限)
・ ν(ニュー)ガンダムアムロ専用機。サイコフレーム搭載。
・ サザビー
シャア専用機。νガンダムのライバル機。
・ ギラ・ドーガ
ネオ・ジオンの量産主力MS。
・ ジェガン
ロンド・ベルの主力量産MS。
◆作戦・重要イベント
・ アクシズ落としシャアの最終作戦。
巨大隕石アクシズを地球に衝突させ、環境破壊で人類を宇宙へ追い出す計画。・ サイコフレーム現象
終盤で起きる謎の共鳴現象。
人の意志が機械に影響し、アクシズを押し返す奇跡が起こる。
映像的には当然、1988年公開ということもあって、古臭く感じるところは当然存在する。
それでも、ノスタルジー半分、今観ても細かなディテールなどは驚かされるし、富野監督のこだわりの深さを思い知らされる。
戦争というものを素地に、アムロとシャアの関係性が描かれ、そこに様々なバックボーンを孕んだ、登場人物たちのやり取りがミニマルに展開される。
このミニマルさが魅力で、構図としては分かり易いんですよね。それなのに深いというか、各々の背景にある深みを知るほど沁みてくるというか。
あと単純にνガンダムがカッコイイですよね。

白をベースにシールドのデザイン性が目を引く。
ただ、個人的な推しはホビーハイザック。民間用に払い下げられたザクだけにカラフルな色味の仕様。
このアンバランスさと絶妙な配色がなんだかカッコ良く見えてくる。

科学的な考証もこだわりとして多く、唯一気になるのはアクシズ落下阻止の際の止め方でしょうか。
落下するものを反対から押し返すのでなく、逆に加速させコースを逸らすようにしなかったのは何かしらの意図があってのことなのか。
これが今回も思う所ではありましたが、それ以外のこだわりにおいてはさすがの一言。
そこからハサウェイの物語へとつながるわけですが、『逆襲のシャア』は理想と英雄時代の終焉、『閃光のハサウェイ』はその残骸を背負った若者の物語。そして、チェーンを殺してしまい、クェスを死なせてしまったという負い目が絡み合ったことからのハサウェイの心境の変化からマフティへと繋がり・・・。
アムロとシャアの思想の変化もそうですが、人はなぜ争いを避けられないのかということを改めて思うんですよね、ガンダム作品を観ると。
それぞれが言うような人間への希望と絶望の意味を噛み締めてなお、どちらかに傾斜しなければならないとしたらどちらを選ぶのかという。
永遠のテーマであり、考える視点を与えてくれるというのも本作の魅力であり、富野さん自身も作品を観て”何かを感じてくれる”ことこそが重要だというのもまた深いところであって。だからこそ時を越えてファンが観返す作品なのだと改めて思わされるところではありました。
そして準備整いいざハサウェイ続編へ。
では。






