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『「月の椀」サカナクション』でしか得られない感覚|浮遊する音像と記憶の器

『「月の椀」サカナクション』


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感情や記憶、さまざまな受け皿としてのメタ化された月の椀。

抽象的な器としてのクラブミュージック的ビートと内省的な歌詞が美しく融合したようなサウンド。

ノスタルジーとハイテクが融合したような不思議な浮遊感。

とにかく出音にやられる。

80年代のシンセポップを感じさせるテクスチャが印象的。

年末から久々にサカナクションモードに入っており、その中でランダムに聴いていて今のテンションにグッとくる一曲。

「ネイティブダンサー」「アイデンティティ」で確立された夜のグルーヴ感覚を、よりミニマルで陰影の深い表現へと深化させたという印象もあり、静けさと呼応するシンセやドラミング、山口さんのボーカルが自然と融和する。

中でも印象的なのがシンセの立ち上がりと、スネアの抜け感。

序盤のアップテンポでオリエンタルな質感にキャッチアップされ、揺蕩うようなサウンドと内省的な歌詞に包まれる。

中盤での低域シンセが底から這い上がるような立ち上がりが見事で、身体を押し上げられるようなうねりにぞわっとする。

モノラルとステレオによる使い分けの効果もあってか、狭い音域からぐっと広がる空間の広がりも相まって、音像の緻密さにとにかく驚く。

こういう細部へのこだわりはさすがだなと思うわけで、ヘッドホンや狭い空間でのそれは抜群に心地良い。

スネアの乾いた質感と間の取り方が、楽曲全体に“夜の呼吸”のようなリズムを与えているように思え、シンセとの対比がいっそう引き立つ。

煌めきとノスタルジーの融合、音に合うフィーリングが心地良い一曲。

では。

アダプト [通常盤]

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