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『ファイナル・デスティネーション』再考:不穏な音と運命の美学を刻むシャーリー・ウォーカーの魔力

『ファイナル・デスティネーション』

ポスター画像


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高校生アレックスは修学旅行に旅立つ離陸前の飛行機の中で居眠りし、飛行機が離陸直後に大爆発するという悪夢を見る。飛び起きて「この飛行機は爆発する!」と叫ぶアレックスに周囲は騒然。この騒ぎに巻き込まれた数人の同級生と先生、アレックスの7人は飛行機から降りるが、彼の言葉通り飛行機は大爆発。それから数日後、生き残りの1人である親友トッドにまたも奇妙な予兆を感じたアレックスはトッドの家に急ぐが、彼はすでに帰らぬ人となっていた。

新作公開ということで久々に初期作からぼちぼち観返そうかと思っての一作目。

2000年制作と言うことで、もう25年も前なんですね。

今観ても衝撃的なピタゴラスイッチ。

予想出来そうでいて、その予想を越えてくるというか。

OPのセブン味溢れる、クローズアップのフォーカシング。不穏なサウンドと反射の奇妙さが絶妙に絡み合う。

そんな音楽を担当するのはシャーリー・ウォーカー。

ゴシックでインダストリアル感あるサウンドというのは当時の流行もあるのでしょうが、今にしても気味が悪く、作品の不穏さと抜群に調和する。

ハリウッドでも数少ない女性の映画音楽作曲家として知られており、オーケストレーションのセンスと緊張感のあるスコアで高い評価を受けています。

もともとダニー・エルフマンのオーケストレーターとしても活躍していました。

ウォーカーはシリーズ初期3作で、あの“死の予感”を音で形にした不穏なテーマを作り上げました。

こういう映画は何も考えないで観られるから良いんですよ。

少々死の原因等について謎解き要素もありますが、とはいえそれもお触り程度。

ハラハラしつつ、常に死の予感しかないパラダイムを楽しむのみ。

演出や展開の遠慮の無さ、ご都合なんてお構いなしに、「本気で全員死ぬのでは?」そう思わされるB級感も相まって、その道筋をただただライド。

ゴア描写等も満載で、その辺の見せ方も躊躇いが無い。

作品内で語られるように「俺たちは自分の人生をコントロールできない。できるのは“どう死ぬか”だけだ」という通り、まさに死は規定できない。

偶然でなく必然だとするある種の哲学めいた考えを前提に置きつつも、偶然性が作用するという宿命も拭えないという。

死に方のオムニバスであり、ピタッとハマるような妙な心地良さをひやひやしながら気軽に乗り込む。

新作がどういった展開になっているのかわかりませんが、まずは順番に観返そうかなと。

劇場では間に合わなそうですが、ゆっくり消化し直します。

では。