『Love Like This』
9月5日にリリースされた藤井風の3rdアルバム『Prema』からの2ndリードトラック。
アルバム全体を通しての流れも秀逸だが、まずもってこの楽曲の印象が忘れられないのでひとまず。
イントロから漂う70~80年代のソウル、R&B感。ミドルテンポにしてレトロな音色のエレクトリックピアノが良く似合う。
シンセやドラムマシーンといった電子楽器と生音が混然一体となって絡みつく。
藤井風の甘さと緩さ、どことなくハスキーなトーンが絶妙に調和し楽曲に深みが与えられる。
楽曲に合わせて唄い分けるセンスというのは彼独特のものであり、声色の豊かさが柔らかな楽曲に溶け合う。
この時点でメロディは至高。
歌詞にしても、単なる恋愛ソングの枠を超え、”最も純粋な愛の形”を探求するスピリチュアルな作品として解釈され英語詞により普遍性というのも感じさせる。
藤井風自身も
「最も純粋な愛の形とは?そしてそれがもたらす至高の喜びとは?私はまだ知らないと思うがこの曲の中で知ったフリをしてみたのだ」とコメントしており、愛の普遍的な探求が楽曲の核となっています。
と述べているようで、”純粋な愛の形に対し知ったふりをする”というところに風らしさを感じる。
直訳すると”こんな愛”、ですが単語として切り出すとloveとlikeがリフレインされ、愛と好きという似て非なる感情が繰り返される面白さもある。
メロディと歌詞が螺旋のようになり、その歌詞の意味もリフレインする。
そこに素晴らしく甘く芳醇な楽曲のテイストを伴えば、最早至高としか言いようの無い多幸感に満ち溢れる。
アルバムに関してはもう少し聴きこんでから。
では。

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