『マシュー・モナハン×若手作家・黒瀧藍玖による展覧会「Reverb Time 60」』
SNSで流れてきて気になっていた展示へ。
馬喰横山にある「SOM GALLERY」という所で行われていたのですが、中々興味深い展示でした。
独特な造形と、表現、認知における解釈。
そもそもマシュー・モナハンはMoMAに展示などもされている方なようで、存じておらず。
マシュー・モナハン(Matthew Monahan, 1972年生まれ)は、ロサンゼルスを拠点に活動するアメリカの現代美術作家です。
ざっくり言うと古代遺跡から発掘されたようでいて、同時に未来的でもある不思議な彫刻を作るような作家かと。
これが非常にジョジョ的であり、「空虚さ」や「不安定性」というものをテーマにしたのだという。
表象的に見えるものが如何に曖昧で、不確かなものか。
素材や構造などがパッと見で理解し辛いものが多く、なぜそれらがそのように見えるのか、余白が残された物質であり、曖昧な存在というのが同時に共存したような異形の物体。
これなどは金属ということを背面を見なければわからない。
虚像とも言える錯視感。

これなども樹脂なのかアクリルなのか。
表現の枠内で囚われた物質的胎動。質感を伴う視覚に、奇妙な錯覚を抱く。

何をもって何を認知しているのかということを考えさせられると同時に、それが個々の記憶と結びつき、頭の中に表出するという不思議な体験をしているような。
同時に黒瀧藍玖による制作物も展示されており、彼は20代と若い方のようで。
黒瀧藍玖とは?
生まれ・出身:2000年、神奈川県生まれ。現在は東京都を拠点に活動しています美術手帖Tokyo Art Beat。
学歴:2022年に東京造形大学デザイン学科テキスタイルデザイン専攻を卒業(2020年には英国ブリストル大学テキスタイル科への留学経験もあり)Tokyo Art BeatLURF GALLERY。
作風・作品の特徴
コンセプト:繊維(経糸と緯糸)が交差することによって生まれる立体構造に着目し、手作業で織物を組み立てるように立体作品を制作LURF GALLERY+1。
代表シリーズ:「Human」シリーズ。鉄で構成された空の立方体のフレームに無数の糸を張り巡らせ、その中に「人間」を配置。そこに閉じ込められたような人間像が、規則的かつパターン化された現代社会や思考のありようを象徴しています美術手帖somgallery.com。
表現の深化:個展「From 0 to 1」では、ミクロとマクロの視点をつなげ、「存在する/しない」を示す「0と1」の概念に触発された作品制作にも取り組み、人間の認識や存在の境界を問いかけています
この作品は奇妙でしたね。
構成されているのは毛糸のようなもの。
それでいて、角度により人が表出する。でも、別角度では存在しない。囚われているようで、錯覚でもあり。
その曖昧さが胸騒ぎを呼ぶ。

共に共通しているのが「満たされていない」ということのようで、断片を切り取り、それぞれの再解釈により物体を再構築する。
その過程においても認知的なバイアスが個々で異なるわけで、曖昧なのに、その個人にとっては必然的でもあるような構造を解きほぐす制作物。
完全などというものは空想の産物であり、絶対の完全など存在しないのかもしれない。
では。