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『So Long, Astoria』はなぜ夏に聴きたい?アタリスの名盤に宿る“青春の郷愁”

夏が来た。

そして何故かアタリスが聴きたい。

ソー・ロング、アストリア

01. So Long, Astoria      
02. Takeoffs And Landings     
03. In This Diary     
04. My Reply     
05. Unopened Letter To The World     
06. Saddest Song, The     
07. Summer '79 
08. Hero Dies In This One, The 
09. All You Can Ever Learn Is What You Already Know     
10. Boys Of Summer, The 
11. Radio #2 Album     
12. Looking Back On Today 
13. Eight Of Nine     
14. I Won't Spend Another Night Alone     
15. Saddest Song, The (Acoustic) 
16. Beautiful Mistake     
17. Rock & Roll High School

改めて聴いてこのアルバムは名盤ですよ。ホントに。

乾いた空気と疾走感のあるメロディ、晴天が似合うとはこのことかと思わされるような突き抜けの明るさ。

ボーカルの癖のある歌い方やトーンが良くメロディに絡み、楽器のキレの良さとも見事に調和する。

学生時代に流行っていたこうしたポップパンクの流れの中、帯に書かれているのは「オフスプリングの後輩、ゼブラヘッドの兄貴分!?USインディ・ロック・シーンのカリスマ、アタリス。突き抜ける爽快・直球メロで遂にメジャー・デビュー!」ですからね。

時代を感じますよ。

そんなアタリスについて少々。

The Ataris(アタリス)とは?
結成:1996年、インディアナ州

中心人物:クリス・ロー(Kris Roe)がリードボーカル兼ソングライターで実質的なリーダー。

音楽性:青春、郷愁、別れ、成長などをテーマにした叙情的な歌詞が特徴。メロディックでキャッチーなギターとエモーショナルなボーカルが特徴的。

ジャンル:ポップ・パンク、エモ寄りメロディック・パンク。初期はDIY志向の強いサウンドだったが、徐々に洗練されたメジャーサウンドへ。

抒情的なサウンドというのはまさにそうで、アルバムのジャケットを見てもわかるようなクラシカルさ。

ここからあの音を出すのかということもあるわけですが、当時はこういうバンドも多かったですからね。

そしてアルバム「So Long, Astoria」2003年リリースで、メジャー初アルバム。アルバム名にあるAstoriaは映画「グーニーズ」の舞台となったオレゴン州の町。バンドが憧れた青春の象徴であり、アルバムタイトルは“さようなら、あの頃の冒険”という意味を込めているようでして。

アルバムの構成として、物語的に連なっているところもそうなんですが、それを置いて、キャッチーさを終始保ちながら、飽きさせないというのが何よりの魅力かと。

冒頭の「So Long, Astoria」に始まり、そこからフルスロットル。その後もテンションを保ちながら、哀愁と情緒を纏っての緩急をつけた楽曲群。

青春期における思春期から別れや思い出、新たなる旅立ちを想起させるような楽曲が並び、シングル曲、アルバム曲共にとにかくPOPで中毒性のある嫌味ないサウンド

飽きずに聴けるというのが何よりの強みで、単調なら飽きてしまうようなところを何故だか飽きさせない。

夏に聴きたい、暖かくなってきたからこそ聴きたいというのはポップパンクの宿命であり、必然。

とにかく一気に暖かくなってきた今こそ聴きたい楽曲が揃っている名盤なのは間違いないでしょう。

ちなみに小ネタとして

・「グーニーズ」との関係
 クリス・ローは『グーニーズ』を“冒険心と仲間を信じる心”の象徴として崇拝しており、Astoriaの街にバンドで実際に訪れたこともある。タイトル曲にも「この町で僕たちは宝物を見つけたんだ」という歌詞がある。

・ ジャケットアート
 ジャケットの地図風のデザインは、まさに“冒険”と“郷愁”を視覚化しており、リスナーにアルバムの世界観を予感させる。

・クリス・ローのスタンス
 彼はこのアルバム以降、「商業的成功よりも自分のルーツに忠実な音楽を」とインディー路線に回帰。後にライブで『The Boys of Summer』の演奏をやめたことも。

・ ギター・サウンド
 この作品では、当時のトレンドだったクリーン×ディストーションコントラストが巧みに使われている。Blink-182、Jimmy Eat Worldと並ぶ“エモパンク”サウンドの代表例とも。

では。

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