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編集とは「遊び」である──『知の編集術』が教える発想の型

『知の編集術 (講談社現代新書 1485)』

考える力をみるみる引き出す実践レッスンとは?いいかえ要約法、箇条書き構成、らしさのショーアップなど情報の達人が明かす知の実用決定版。

私の好きな読書法──私はしばしば「目次読書法」という読み方をする。本をペラペラめくってしまう前に、比較的ゆっくり目次を眺めるのである。……そして目次をよみながら著者が書いていそうなことを想像する。むろん勝手な想像であるのだから、あたっていなくともよい。こうしておきながらやおらパラパラとページをめくり、自分の想定とのちがいを見る。そうすると、最初に想定したことが多少はあたっていたり、まったく予想はずれになることもあるのだが、その想定距離と実測距離との差異が読書を加速させ、立体化させるのである。……鉛筆やボールペンで本のページをマーキングすることも多い。……マーキングのしかたにはだいたいルールがあって、重要箇所を囲むばあいの線の種類や、固有名詞と概念名詞を区分けするマークや、あとでその1冊をさっと見て思い出せるようにしておくマーキングなど、いろいろ用意してある。──本書より

知の巨人として知られる松岡正剛氏の著書。

初めて読んだのが本書であり、”知を編集する”というのはどういうことなのかと考えさせられることとなった。

本書に書かれている基本概念として、編集という行為は誰しもが常に行っており、日常的なことである。さらに言えば幼少期の遊びとしてその過程は経験しているということ。

その視点にも驚かされるが、確かにそうした”編集”という小難しい言葉に集約されるから認識しづらいわけで、日常的にそれらが行われているというのを体系立てて枠組みを提示してくれるのは非常に分かり易く、親近感を得られる。

概念的な部分として、基本構造が提示されているのも非常に興味深く、常に編集ということを考え生きてきた、松岡正剛さんならではの切り口がそれらをブーストさせる。

物事を考える上での角度、深度が非常に独特で、持ち出されるテーマやコンセプトも既知に富んでおり、なるほどなと思わされる部分もしばしば。

特に子ども遊びの基本形に纏わる話、「ごっこ」「しりとり」「宝探し」という3型に情報編集の集約が成されているというのは驚きの発想で、確かに考えてみるとなるほど、網羅されているなと。

情報の分母と分子という変数構造についてもそう、どちらにどういったものを置くのか、認識としてどのような構造なのかということを考える上で非常に参考になる考え方を明示している。

編集は動的であり、編集そのものが目的ではない。

何かを考え、何かを創発する際に必要な方法論として編集という行為があり、だからこそ日常に転がっている”様々な事柄”に目を向け、想像することが有意義なことだと思い知る。

編集稽古として要所に課題めいた問題があるのも特徴的で、これは一人でというよりも誰かと思案することで見えてくる面白さもあるのかもしれないと思うとそれもまた是非行ってみたい。

先日こちらの動画でたまたま松岡正剛氏のISIS訪問が流れていたのもタイミングが重なり、この考え方を踏襲した知の建築のような迫力も興味深く見させていただきました。


www.youtube.com

では。

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33生きた状況の中の会話
37編集術は整理術ではない
44私は主題や論題そのものよりも
46編集でいちばん大事なことは
51子供遊びの基本型は
79動かない知識や
93映画というのは
95このような要約と連想のしかたを
108多くの職能が
117情報には「分母として
156編集術とは
179私は「知」というものを
247遊びの中に学習も編集もある