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ポール・メスカル主演!『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』が示す新時代の剣闘士像

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』

ポスター画像


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古代ローマを舞台に、皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込まれ、剣闘士(グラディエーター)として苛烈な戦いに身を投じる男の姿を描いたスペクタクルアクション「グラディエーター」。巨匠リドリー・スコットが監督を手がけ、アカデミー賞で作品賞や主演男優賞など5部門を受賞した同作の24年ぶりとなる続編。

将軍アカシウス率いるローマ帝国軍の侵攻により、愛する妻を殺された男ルシアス。すべてを失い、アカシウスへの復讐を胸に誓う彼は、マクリヌスという謎の男と出会う。ルシアスの心のなかで燃え盛る怒りに目をつけたマクリヌスの導きによって、ルシアスはローマへと赴き、マクリヌスが所有する剣闘士となり、力のみが物を言うコロセウムで待ち受ける戦いへと踏み出していく。

今作の主人公となるルシアスは、ラッセル・クロウが演じた前作の主人公マキシマスの息子という設定。そのルシアス役を、「aftersun アフターサン」でアカデミー賞にノミネートされたポール・メスカルが演じた。そのほかデンゼル・ワシントンペドロ・パスカル、前作から続投のコニー・ニールセンらが共演。リドリー・スコットが前作に続いて監督を務め、脚本は「ナポレオン」「ゲティ家の身代金」のデビッド・スカルパが担当。

リドリー・スコット監督、現在86歳。

まずもってこの年齢でこうした作品を撮るというバイタリティそのものに驚かされる。

他にもこうした老齢の監督で素晴らしい作品を撮る方が数名浮かぶわけですが、なぜこうした作品を撮ることが出来るのか。

そんなリドリー・スコット監督による続編が本作。

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前作との繋がりはあまり無いものと思っていたんですが、かなりガッツリと地続きに繋がっているということにも驚き。

グラディエイターというものの史実性とどの程度近づけるのかという部分もあるかと思うのですが、男としてのメンタリティ、ある種普遍的なそうした気概には時間を経ても古びない精神性が宿っている、という共通項は本作でも存分に感じるところ。

今の時代にハマるのかという部分も感じつつ、それでも熱くなってしまうのは”気概”に拠るところが大きいのかなと。

何の為に、何に対して、そういった芯の通った共感を誘い、体現するというところに人は惹かれ、歓喜する。

やはり本作も熱かった。

時代に逆行する部分もあるかとは思うのですが、一方でこうした時代だからと感じる部分もあり、世界的な”反体制”を抱き、行動することの意義。これが正しいのかはわからないけど、それでも現状維持にNoを突きつける様はある意味で現在だからこその価値観を内包している部分もあるのか。

それを体現する主人公、ルシアス演じるポール・メスカルが兎に角カッコ良かったですよね。

表情にフォーカスするクロースショットに対して、その表情だけで答える感情の吐露。

多くを語らずとも、表情や佇まいで答える俳優というのは良い俳優だと思うところですが、説得力、存在感といったグラディエイターが備えているべき資質のような蓋然性を高めている一挙手一投足から諸々が伝わってくる。

『aftersun アフターサン』の印象が強かったので、あそこまで屈強で瞳の奥に信念を宿した演技力には感服しました。

デンゼル・ワシントン演じたマクリヌスも良かったですね。

小賢しい存在感と圧倒的なオーラ。

不純した企みと野心を感じさせるところを裏切らない残忍性。

物腰の柔らかさと表情からは読み取らせない強かさに人間力が宿っており、絶対に善ではなさそうでいて、それなのに魅力を感じてしまう。

この悪なる魅力が詰まっているし適任だなと。

大局的な悪としてカラカラ帝とゲタ帝の存在もお見事。

クソさが伝わるビジュアルと実際にクソな思考回路。

権力者の無能さを伝えると共に、十分たる存在感を醸し出し良く演じたと思いますよ。

人はそもそもクソなのか、それとも権力が人を腐らせるのか。

当時のような圧倒的権力を持った時に、どう感じ、どう行動するのかというのは作品と関係ながら非常に興味の湧くところではありました。

出てくる動物たちも凄かったですよね。

ヒヒは一番驚きましたね。

BHDAA on X: "リドリー・スコットが「レイズド・バイ・ウルブズ」の撮影で南アフリカに滞在した時、大きなヒヒを見たそうです。 それが「 グラディエーターII」の凶暴ヒヒのアイディアになったとか。 チャクマヒヒ(Chacma Baboon)という種類で、迫力ある顔してます ...

監督自身前作で叶えられなかった対決を再現したようですが、あのヒヒが実際にいるということにまず驚き。

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造形自体はCGIで表現しているようですが、ヒヒの凶暴性、デフォルメされてはいるとはいえ、あれと対峙するのは恐ろしすぎる。

海戦の再現シーンも良かったですね。

「コロシアムで水なんて入れれるの」と思ったんですが、あれも実際に入れれたようです。

まああそこまでしっかりと水を入れてサメが回遊するように出来たかは懐疑的ですが、それでも水を入れての海戦も出来たというんだから当時の人間は何を考えているのだか。

でも、それを画で見せられるとやはり凄さというか、驚かされますよね。単純にスケールとかその様に。

写真)『グラディエーターII』前作で叶えられなかった<VSサイ・サメ・ヒヒ>バトルが24年越しに実現! - 映画 - ニュース |クランクイン!

そうした画の迫力だけでも本作は一見の価値がありますし、映画館で見る意味がある。

正直前作に比べて動機の弱さは気になるところではありましたが、それでもオリジネイターが作るものはそれ相応の価値と意味があると思っているので、細かいところを抜きにして楽しめば良いんだと思います。

では。