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『攻殻機動隊 S.A.C.』20年経ても色褪せないアジア×近未来の美学

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(S.A.C.)』

STAND ALONE COMPLEX | 【公式】攻殻機動隊グローバルサイト


www.youtube.com

2002年10月1日 - 2003年11月30日(全26話)
第一シリーズ。2002年10月からパーフェクト・チョイス(ペイ・パー・ビュー形式)で放送され、2004年には日本テレビ系列数局で放送された。主に「笑い男事件」を扱っている。他、2010年代前半頃よりファミリー劇場において、4:3映像(SD)を上下カット処理をして16:9サイズ化し、更に画素変換(約34万画素→約210万画素)アップコンバートを施し、HD映像化されている。

相変わらず古びない世界観。

なんとなく攻殻機動隊な気分になったので観返したんですが、やっぱり独特な世界観で、何度観ても新鮮さを感じてしまいます。

90年代に作られたとは思えない設定、まあこれは原作の士郎正宗さんによる原作の強度が高いからこそ。

笑い男という悪役の設定、キャッチーさも魅力的ですよね。引きが強いですし、当時の世相を感じさせられつつ、今見ても通ずるところもありで。

そうした原作の良さを生かしつつ、それを映像的に見せられるとやっぱり迫力だったり、壮観だったりするわけでして、その意味でのこの世界観は今観ても良い。

アジアを想起させる、中国や台湾のような街並みと近未来的な建造物、加えて魅力的な機器の数々。

まず冒頭のクレジットの出し方が好きなんですよね。マトリックスにも影響を与えたというのも頷けるあの蛍光緑の独特のグラフィック。

あれを見た瞬間に電脳をイメージできるところとか、積み上げられていくデジタル的な感覚とかがマジでツボ。

そこからの素子の部屋での明暗くっきりな画なんかもかなりスタイリッシュですし、そこと窓越しに見える風景との対比もインパクトが強く印象的。

冒頭からこれなわけで、そこからの画的な魅力が盛り沢山。

ストーリーもかなり深い内容なんですが、それ以上に観ていて上がる画的高揚感が半端無く、それだけでも楽しめること間違いなし。

日本のSF作品のアニメーションってそういった画的な強度が魅力だと思っていて、その先駆けである本作はやっぱり魅力が詰まっている。

以前からあるSFものより、どことなく現実的でシャープな画作りも相まって、とにかく予見的だし、未だに未来を感じてしまうところも凄いと思う。

バトルシーンにもそれが表れていて、静かなのにソリッドな動きや演出があり、激しさだけで無い凄みを感じる。この辺も当時の技術を考えると流石だなと思ってしまうところだし、なんでそう見えるのかがいまいちわからないのですがとにかく凄い。

内容的にもそうで、いまいち掴みどころが無いし、一見複雑でスッとは入ってこないのにどことなく惹かれてしまう。

この辺のバランスも作品冥利だと思っていて、絶妙に全てが噛み合った名作だと思います。

細かいことを話し出すと民族的なサウンドを取り入れた、エキゾチックな音作りであったり、人物造形における、人間では無いのであろう感を示唆する眼の作り込みだったり、動きの細部に至る描写であったり、独特の切り取り方、見せ方を伴ったショットであったり、出てくる重火器系の魅力であったりと語りつくせない程マニアックな作り込み。

その辺は好きな人同士で話したいところだし、文章にするのも野暮かなと思うわけです。

結局こういった作品って好きな人同士が語ってこそ盛り上がるところだと思うので、それはリアルな世界でやってこそかと思っております。

シリーズも劇場版含めると諸々かなりあるのですがまずは『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(S.A.C.)』から見るのが良い気がします。

TVアニメの初期作なので、わりと万人受けという意味でも、内容としても入り易いかなと。

そういえば来年士郎正宗展も行われるようで、原画の書き込みはさらに凄いので原作含めた漫画もいくつか読み直そうかなと思うところです。

では。