『エイリアンVS.プレデター(AVP)』
南極の地下深くに地球最古のピラミッドが発見されるが、そこは宇宙からやってきたプレデターが、成長の儀式のためにエイリアンと戦う場所だった。
企画は10数年前から存在していたが実現しなかった、人気SFシリーズ「エイリアン」と「プレデター」の主役クリーチャーの対決映画。
「モータル・コンバット」「バイオハザード」のポール・W・S・アンダーソン監督によって脚本がまとめられ、映画化に至った。
こういう類の作品ってバランス感覚、ようは本家にある作品の旨味を抽出しながらも、どこにどういったスパイス、変化を加えるかが重要だと思っていて、その塩梅が本作は悪くない。
正直序盤こそなんとも言えない展開ですし、造形や美術に関しての偽物感が半端無く、ちょっとチープに映るんですよね。
戦隊ものの雰囲気を感じるチープさもあり、映像の質感などもどことなく似ている気もする。
でもそれはそれで良し。
エイリアン、プレデター、双方が出てくる感じになってからは単純にアクションが楽しいですし、怪獣物のそれですよね。
展開も読めないですし、そこに人間たちも絡むわけで、プロットを楽しむというよりも、全体感として世界を楽しむというような。
まあ端的にいってしまえば”バトル”ですよね。
フィールドの楽しさもありますし、それが変化する面白味もある。
そこで繰り広げられる攻防がどう行われていくのか。
漫画とかにもありがちですけど、こういうバトルものって、パワーバランスや装備の力差なんかがわかんないんですよね。
だからこそ楽しいというか。
こうなったら終わりだろといったような予想を裏切ってくる展開もありつつ、ただただ相まみえる戦闘を楽しむ。
終盤のレックスとプレデターのバディ感とか最高でしたからね。
装備も「マジか」と思う展開に、そこからの共闘もありで、痺れるアクションが続いていく。
ラストのお決まり展開、終わったと思ったら、というギミックにも抜かりなく、物語の畳み方も急展開ながら、わからんでもないような絶妙な作り込みが見事。
ポール・W・S・アンダーソン監督ならではの外連味あるアクション満載なので、気楽に楽しむという見方が丁度良いのではないでしょうか。
エイリアンを知り、別の愉しみでエイリアンを見たい方は是非。
では。