とにかく不思議で奇妙な感覚。
『と、ある日のすごくふしぎ』
タイトルにもあるようにホント不思議な作品。
短編集になっているんですが、全てが不思議で全てが何となくわかる。
作画を見るとほのぼのしてるのかなとか、可愛らしい感じなのかなと一見すると思ってしまうんですが、それも内容を読むまでのこと。
読み始めると人間の裏側にあるグロテスクさだったりがドストレートに出てきたり、それが作画の禍々しさとして表現されていたり。
特にその表現が優れているなと思うのが、黒、というか闇の描き方が凄い。圧倒されてしまう怖さがあって、引きずり込まれてしまうんじゃないかと思うほど恐ろしい。禍々しさといった方がいいのかもしれない。
それが突如として訪れるもんだから、更に驚かざるを得ない。
この緩急というか、通常時はファンタジー要素強めの日本昔話にも似たタッチや雰囲気、それが局面局面で一気にダークに振り切られる。
物語的な怖さも相まって、なんとも言えない感じにさせられる。
なんでこんなに黒の使い方が上手いんでしょうか。
ダークファンタジーともまた違う、独自の宮崎夏次系ワールドを是非堪能してほしいところです。