友達のかけがえのなさ。
デビュー作「森山中教習所」で各漫画ランキングにランクイン。 通な方面に話題を呼んだ、真造圭伍(しんぞうけいご)の最新作。
過疎の町、金松町は火山の噴火一発で温泉街へと生まれ変わる。
この劇的な変化を受け入れられないクールな富山と、変化にノリノリな桜島の二人の高校生。この二人の友情は町の変化に伴いどう変化するのかの物語です。
思い返すと高校時代ってそこまでその場を楽しめるようなキャラじゃ無かった気がして、どことなく恥ずかしいというか斜に構えてた気がする。
そういった意味で本作の主人公富山は過去の自分を見ている気がすると言いますか、それでいて洒落っ気があるところも含めてわかる感じと言いますか。
その青春時代の独特な感覚が日常と噴火(非日常)という狭間でコミカルに描かれていく。
本作の魅力は何と言っても友人の桜島含め、とにかくキャラ立ちが良いということ。
画のタッチもダイナミックで、ある意味ラフ。その感じもあの頃の雑多な情景と重なるところがありますし、内容自体もなんでもありな感じ。
その青春感独特のごちゃ混ぜみたいなところにも掴まれた気がする。それと同時に唯一無二の友人の存在と、それが如何に大事でかけがえのないものなのか。わからなかったけど、無意識的に選び、気付いていた本能みたいなものに驚きつつ、ピュアなあの頃の感覚を呼び起こしてくれるような作品でした。
やっぱり夏は青春とホラー。これは鉄板だった気がします。