花が好きになる。そう、文字通り何かを好きになる映画はいい映画だ。
『mellow』
公開時に行こうと思っていたもののスケジュールが合わず断念、そこから遠ざかっていたんですがようやく気持ちとタイミングが合いました。
そして気付いた『やっぱり会話劇が好きだ』ということに。
花屋を舞台にそれぞれタイプや年代の異なる女性が出てきて、様々な思いや『好き』ということについて話が進む日常系映画なんですが、とにかく観ていて心地いい。
それこそメロウなテンポ感、観ていてほっこりするような光景の連続に、あっという間の2時間でした。
気持ちのモチーフとして出てくる花の雰囲気も良く、それらを見るだけで何となく伝わる、贈る、贈られる側の内面性みたいなものもわかり、それと同時に花を愛でたくなります。
あの店の雰囲気や主人公演じる田中圭の人柄の良さも相まって、今まで興味無かった『花』というものについて見方を改めさせられました。
辛辣な会話もあるものの、それをシュールな笑いに変えるところも面白く、とにかく終始穏やかで、心癒されます。
今泉監督作品はこれが初めてだったんですが、全体としてどことなく中性的。
会話劇のトーンも中庸的なところなんかも独特な間合いで、スッと入ってくる感覚は新鮮かつ気持ちの良い作品でした。
個人的に好きなテイストなので、他の作品もちょっと観ていければと思います。