災害のリアリティと怖さ
『日本沈没2020』
日本沈没というタイトルだけで伝わるストーリー展開。
内容を知らない人であっても、このタイトルを見れば、どういうことが待っているのか、予想するのは難しくないはずです。
1973年に日本SF界の巨匠、小松左京が書いた小説をプロットに、湯浅テイストを取り入れ、現代に時間軸を移した作品。
2020年が舞台ということもあり、実際の身に起きる感覚を得られることや、街並み、人物のリアリティ、そういった全てのと実生活を照らし合わせることで、新鮮な恐怖として描かれていた気がします。
1話目から衝撃的な事の連続で、災害がなんたるやみたいなリアリティを感じさせつつ、今ある全ては今存在しているだけで決して明日もあるわけではないのだということを痛感させられます。
その後の展開もとにかくハードで、この唐突さのリアルが本当に恐ろしく描かれているし、突然以外に起きえないというところも正にその通り。
そういったことををここまでストレートに描いたアニメも珍しい気がします。
脚本や構成なんかは湯浅監督らしい、生々しいリアリティを感じるし、観ていて先がわからないところも良い緊張感をもたらしている気がします。
一方で、突拍子も無い展開や演出、などは物語をブレさせてしまっている感もありますが、全体的にそこまで間延びせず、良いコンパクトさで湯浅ワールドを表現していたので、中々好きな作品でした。