何か一つの事を追い求めるきままな旅に憧れる。
「エンドレス・サマー」
究極の夢は“終わることのない夏”
−水平線の彼方に、最高の波が僕を待っているかもしれない…
サーファーのバイブルとして今なお輝きを放つ永遠の傑作「エンドレス・サマー」1960年代のはじめ、ブルース・ブラウン、マイク・ハンソン、ロバート・オーガストの3人は、1台のカメラとサーフボードを抱え、最高の波を探す旅に出ました。現在のように交通機関が発達していない時代、若者達の少ない予算の旅は困難でした。しかしこの「終わることのない夏」を探す旅は映画となり、出来上がった作品『エンドレス・サマー』は世界中で絶賛され、日本でも冒険とロマンを愛する人達が多数劇場へ押し寄せたのです。
あれから約40年、その間に私たちが体験したことは、夢とは無縁のものだったのかもしれません。しかし、冒険を求める若者達の旅は、いまだにその輝きを失ってはいない。サーフィンと海と冒険を深く愛したブルース・ブラウン監督の作品が、あなたの夢とともに鮮やかに蘇えります。【STORY】
サーファーの究極の夢は、「終わることのない夏」。ロバートとマイクは、夏を追いかけ、秋の気配漂うカリフォルニアを旅立った。西アフリカ、セネガルのダガールに到着した2人は、まだ誰も乗ったことのない波を求めて、黄金海岸を南に下り、ガーナ・アクラ、ナイジェリア、ラゴスと移動。ついにインド洋と大西洋の分岐点、ケープタウンで2つの大洋を制覇する。アフリカを離れた2人は、西オーストラリア・パースへ。しかし鮫に邪魔され、ライディングできない。ニュージーランドへ移動しても、相変わらず波に恵まれない2人は、珊瑚礁に囲まれ「波はない」はずのタヒチに向かった。
映像の綺麗さ、ダイナミックさに関しては今の作品に勝てないと思う。
それでも当時の空気感であったり、熱量であったりをパッケージングするという点において、名作であり続ける理由を感じた。
ドキュメンタリー形式で語られていく作りに退屈さを覚えるかと思ったけど、そんなことは全くなく、むしろ心地良く、スムースに時間が経過していく。
旅に出ることもあるだろうし、趣味で何かに取り組むこともある。
だからといって、本作のように何か一つを追い求めるために旅に出ることはほとんど無い気がする。というか自分に関しては一度も無い。
人生の中で一度はこういう時間を過ごしてみたい。そう本気で思わされた作品は本作が初めてだった気がする。
忙しない日常で、何かに追われ、色々なことに興味を持つ。これって現代ではある種の宿命的な事実だと思うけど、それでは得られない体験、そういったものに強く惹かれる作品でした。
単純に映像としても楽しめるので、ゆるく、ぼんやりと眺めるのも良い気がする。
それにしてもサーフィンていうのは他のアクティビティーに比べて何でここまで生活を一変させるような何かを持ってるんでしょうか。まあこの映像を観ていてもそれだけの何かを感じさせられるところに、引き寄せられたら最後的な魅力があるんでしょうけど。