今まで観てきたアニメーション作品とは圧倒的に違いを感じる描写力。
「海獣の子供」
【6.7公開】 『海獣の子供』 予告1(『Children of the Sea』 Official trailer 1 )
「リトル・フォレスト」「魔女」などで知られる漫画家・五十嵐大介が、大海原を舞台に生命の秘密を描き、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞や日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した名作コミック「海獣の子供」を、アニメ映画化。
自分の気持ちを言葉にするのが苦手な中学生の琉花は、長い夏休みの間、家にも学校にも居場所がなく、父親の働いている水族館へと足を運ぶ。そこで彼女は、ジュゴンに育てられたという不思議な少年・海と、その兄である空と出会う。やがて3人が出会ったことをきっかけに、地球上でさまざまな現象が起こりはじめる。
「鉄コン筋クリート」のSTUDIO4℃がアニメーション制作、映画「ドラえもん」や「宇宙兄弟」などを手がけてきた渡辺歩が監督を務め、音楽を久石譲が担当。
予告映像、チラシなどから興味を持っていた本作でしたが、やはりその表現力は圧倒的でした。
今年はスパイダーバースといい、本作といい、アニメーションに対する見方を大きく変えられた年になった気がします。まあまだ気が早い気もしますが。
原作の海獣の子供は未読だったんですが、存在は微妙に知っていた程度のものでした。それでも本作を観た印象は圧倒的な世界観。ただただ映像の美しさ、音楽の壮大さ、そして海の表現力に驚かされました。とりわけ海の描写が素晴らしくて、本当に海の中にいるんじゃないかと錯覚するほど。
海の綺麗な部分、神秘的な部分、怖い部分、全てが言葉でなく体感として伝わってくるところが新しく、そして素晴らしく感じました。
この感覚は実際本編でも全てに言えることで、言葉にするには難しいけど、体験として絶対的という感覚を終始抱かせてもらいました。
細かい点を挙げればきりが無いんですが、とにかく体験する以外にこの感覚の説明をすることが難しいのは間違いないです。映画を語る前に感じて消化する。本当の意味でその言葉が当てはまる数少ない作品になるんじゃないでしょうか。
原作も読みたくなること間違いない作品なので早速観たいと思います。もう一度観に行きたいが間に合うかどうか。劇場公開数が減ってきているので今のうちに是非。