マイフェイバリットファッション映画第一位。
「処刑人」
サウスボストンの精肉工場に勤めるコナーとマーフィーのマクマナス兄弟。2人は行きつけのバーでロシアン・マフィアと騒動を起こした末、正当防衛で彼らを殺してしまう。無罪放免となった兄弟は、その夜神からのある啓示を受ける。「悪なる者を滅ぼし、善なる者を栄えさせよ──」出所した2人は早速大量の武器を購入し、マフィアの幹部や殺し屋などを次々と“処刑”していく。
過去に観た映画の中で、登場人物の妄想ファッションシンクロ率が異常です。
映画自体の作りもかなり好きな感じですが、とにかくファッション。これだけで観る価値ありです。あくまでもこういったテイストのものが好きな人はですが。
ストーリーは至ってシンプルな勧善懲悪ものなんですが、その捉え方すら安易に感じさせる主人公二人の行動。
ここにコメディ的なテイストが加わって、やっていることはエグイのに、意外に軽く観れてしまう、そんな作品の仕上がり。
画作りも好みで、各登場人物が出てくるたびにその名前を文字でいちいち表示させたり、音楽の使い所もわかっているなといったタイミングでとにかくカッコ良し。
そう、それだけでいいんです。映画なんて、主観的に判断しているものだから。難しく考えずにただ感覚のわフィルターに引っかかるなんてそれだけで素晴らしいじゃないですか。
やることも起きることもメチャメチャで、現実には絶対に起き得ない。それでいて憧れの様なものを抱いてしまうところに本作の良さが詰まっている気がします。あくまで自分にとってですが。
その自分にとってのヒロイズムみたいなものを許容し昇華していくところに本作のカタルシスがあるし、それに対しての問いのような形でラストに住民が登場し、インタビューに答えるあたりなんかは善悪の境界線といったところで考えさせられます。
なにはともあれ、カッコ良ければそれで良し。だって映画、フィクションですから。
ということでピーコートが欲しくなった次第です。