強さとは信念。
「欲望のバージニア」
禁酒法時代のアメリカを舞台に、密造酒の業界においてその名をとどろかせた実在の無法者3兄弟の生きざまを描いた犯罪ドラマ。
『ザ・ロード』のジョン・ヒルコート監督がメガホンを取り、ミュージシャンのニック・ケイヴが脚本と音楽を手掛けた。
出演にはシャイア・ラブーフ、トム・ハーディ、ガイ・ピアース、ミア・ワシコウスカ、ジェシカ・チャステイン、ゲイリー・オールドマンら豪華キャストが勢ぞろいする。
カントリーテイストのこういった作品って無性に観たくなる時あるんですよね。
今の時代との明らかなギャップや風景に惹かれるのか、理由は分からないんですけどそんな気分で観てみました。
結論から言うと、予想以上に面白くて観やすい作品でびっくり。
音楽が以上にカッコいいなと思ってみたらニックケイヴだったり、やはりトムハーディはどんな役を演じてもカッコいいなと思ったり。この時代の衣装はカッコいいなと思ったり。ハットはこの冬確実に買おうと思ったり。
個人的に一番グッと来たのが、弟であるジャックがボコボコにされて帰ってきて、トムハーディ演じるフォレストが「身体的な強さよりも強さとはそれに立ち向かう意思だ」的なことを言ったシーン。
生きていく上でも真に必要なのは意思や信念だと思うし、それを磨くのって簡単なようで凄く難しいと思う。それでもひとたび身に着けてしまえばそうそう折れるものでも、消えるものでも無く、深く自分に刻まれていく。本作ではその一連の流れをジャックという三男を通して見せられた気がして非常にグッと来た。
話のテンポ感も良いし、キャラも分かり易く気軽に観れる作品ながら、意外にもテーマは刺さるし、終盤にかけてのカタルシスもちょうどいい塩梅で、そこまで期待して無かったけど、観てみたら意外に面白かった作品としてはかなり好きな分類の作品でした。