こんな美しい映画があるのか。
「シェイプオブウォーター」
1962年、アメリカとソビエトの冷戦時代、清掃員として政府の極秘研究所に勤めるイライザ(サリー・ホーキンス)は孤独な生活を送っていた。だが、同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と一緒に極秘の実験を見てしまったことで、彼女の生活は一変する。
人間ではない不思議な生き物との言葉を超えた愛。それを支える優しい隣人らの助けを借りてイライザと“彼”の愛はどこへ向かうのか……。
実はこの映画、既に二回観てきました。
一回目に行った時にあまりの映像の綺麗さ、音楽の素晴らしさに気を取られ、細かいところが観れておりませんでした。なので早々に二回目に行ってきました。
二回目も変わらずに心地良い映画でした。
映画体験の中でここまで心地良い映画体験は初めてで、内容云々の前にとにかく観ている最中、終始心地良く漂っているという感覚。本作では常にカメラが微妙に動いている状況が演出されていたり、緑の使い方が実に綺麗で上手い。それに加えて水の表現が非常に素晴らしい。
デルトロらしくエグイシーンも満載ですが、その対比と言っていいのか、映像の綺麗さが際立って見えます。音楽もアレクサンドル・デスプラということで期待していたのですがこれも想像以上でした。
とにかく美しい。これだけでこの映画は映画館で観るべき価値がある作品だと思います。
印象的だったシーンをいくつか挙げると、冒頭のイライザの自慰シーン、半漁人の登場シーン、部屋を水で満たしてSEXするシーン、バスでの窓に耳を寄せるシーン、ラストの海へ沈んでいくシーン。その他にも細かく挙げるときりが無いですが、とにかく観て感じるべき作品です。
冒頭で語られる、「愛と喪失の物語」というテーマも観る人によって感じ方が変わるのかもしれません。
個人的には、「自分の周りに必要な人は形はどうあれ存在するし、必要ない人は存在しなくなる」ということのように思えました。水自体が形を作るのではなく、枠組みを変えるだけで水の形を作ることができるように。
一回目も二回目もそうだったんですが、ラストのタイトルが出るシーンはホントに鳥肌が立ちました。
あと何回か観て、細部も楽しみたいと思います。
ギレルモ・デル・トロのシェイプ・オブ・ウォーター 混沌の時代に贈るおとぎ話
- 作者: ジーナ・マッキンタイヤー,ギレルモ・デル・トロ(序文),阿部清美
- 出版社/メーカー: DU BOOKS
- 発売日: 2018/02/09
- メディア: 単行本
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