個人的にこれを観て感じたのが「愛とは?」でした。
「ロブスター」
“独身者"は、身柄を確保されホテルに送られる。
そこで45日以内にパートナーを見つけなければ、自ら選んだ動物に変えられ、森に放たれる。
独り身になったデヴィッド(コリン・ファレル)もホテルに送られ、パートナーを探すことになる。
しかしそこには狂気の日常が潜んでいた。しばらくするとデヴィッドは“独身者"が暮らす森へと逃げ出す。
そこで彼は恋に落ちるが、それは“独身者"たちのルールに反することだった―。
全体的に不穏な空気感が漂う本作。画作りに関しても終始しっとりとした印象で美しい仕上がり。
ただ作品自体は非常に淡々としたエグイ展開が続きます。自分たちが生きている社会をかなり凝縮して端的に描いた感じ。
所々キューブリック作品のようなカメラワークを感じるシーンもあり、とにかく不思議な映画です。まあコンセプトからして、動物に変えられるっていう時点で興味しかなかったですが。
ただ本作を観ていて必至に恋愛をする様があまりに痛々しくて色々と考えさせられました。
①好きになる→恋愛する→結婚する
この過程って普通だと思うんですが、劇中で出てくる
②共通点がある→恋愛する→生活する
これが何かしっくりこなくて、考えてたんです。ただ①に関しても疑問が出てきて
③一緒にいたい→結婚する
みたいなことでもいいんじゃないかなと思ったりして。でも、③と①の違いってセックスなんですよね。③の相手って同性でもいいわけだし、セックスもキスも無くたっていい。でも①は必要な気がするんですよ。
変な感想ですが本作を観ている間、ずっとこんなことを考えていました。
そう考えると冒頭の好きな動物に変えられてしまうということもあながち悪い選択ではないのかもしれないなとか思ったり思わなかったり。
ラストシーンに関してもそれまでの愛に関しての解釈なんかで変わってくるんだろうなと思います。
スタイリッシュなポスターや不思議なストーリーに惹かれて気軽に観ると痛い目を見るかもしれませんのでご注意を。
ただし全体を通して間違いないクオリティです。