またまた特別上映で公開されていたのでこちらを観てきました。
「シング・ストリート 未来へのうた」
1985年、大不況のダブリン。人生14年、どん底を迎えるコナー。
父親の失業のせいで公立の荒れた学校に転校させられ、家では両親のけんかで家庭崩壊寸前。音楽狂いの兄と一緒に、隣国ロンドンのPVをテレビで見ている時だけがハッピーだ。
ある日、街で見かけたラフィナの大人びた美しさにひと目で心を撃ち抜かれたコナーは、「僕のバンドのPVに出ない?」と口走る。
慌ててバンドを組んだコナーは、無謀にもロンドンの音楽シーンを驚愕させるPVを撮ると決意、猛練習&曲作りの日々が始まったーー。
80年代が舞台ということで、私の青春時代とは少しずれているのですがバッチリでした。
音楽が良い、ファッションが良い、雰囲気が良い、そして兄が良い。良いことばかりでどこが良かったんだって話ですが一つずつ挙げていきましょう。
まず音楽、これはパンフレットなどでも書かれている通りで80年代を代表するバンドの面々による楽曲が登場します。The Cure、Duran Duran、The Jamなどといった錚々たる顔ぶれ。
さらに作中でバンドが作った楽曲も多数登場するんですがそれがまた良いんです。へたしたらそっちの方がいいんじゃないかっていうくらい良いんです。完成度がどうこうとか詞がどうこうといったことではなくて、もう感覚的なもの。音楽ってこういうものだったよなと思い出させてくれます。特に気に入った曲を何曲か挙げときます。
Sing Street - Drive It Like You Stole It (Official Video)
これはレンタルでも購入でもいいので絶対にサントラを聴くべきです。捨て曲なしです。
次にファッションですが、これも若いころにありがちな影響を即座に反映させる感じ。凄くいいです。自分もファッションに興味を持った当初ってこういう感じだったよな、といった感覚が蘇ります。
そのファッションもメンバーの成長と共に様になってくるんですが、それも自然な感じで良かったです。
そして雰囲気が良い。これは映画全体の適度にPOPな雰囲気であったり、誰の家庭にもあるような問題の雰囲気、バンドの雰囲気であったり家族の雰囲気、全部がリアリティがあってよかったです。
とくにバンドの雰囲気に関しては軽い感じで結成するところや、曲作りへの姿勢の軽さなんかが高校生らしいなといった印象で実に嘘が無い。ギターを担当するエイモンのクールなんだけどわかってる感じとか最高です。
最後に兄ですが、この人無くしてこの映画は語れないかもしれません。主人公の音楽的基盤を作ったのは間違いなく兄の影響でしょうし、要所要所での音楽への助言、振舞いに説得力があります。
作中で兄が主人公である弟に、「バンドのカヴァーなんかしたって何も面白くない、曲を作ってこそだろ」的な発言をするシーンがあるんですが、あれは響きました。
今の世の中って作られたものに満足して自発的に何かクリエイティブなことをする機会って圧倒的に減ってると思うんですよ。でも本作の舞台の80年代とかってスマホもないしネットもない。こういった制限された環境の方が何かに打ち込む点においては強い気がしました。
まぁそれを嘆いても仕方ないですが少しでも自分で考えて過ごすよう努力していきたい、そう思わせてくれる言葉でした。
話は逸れましたが、とにかく兄の存在感がありすぎて良いです。
とにかく忘れてた何かに気付かせてくれる、そんな映画だと思います。
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